20191217 ほぼ日の学校スペシャル「ごくごくのむ古典in福岡~能楽堂でシェイクスピア!?~」

まえおき

ほぼ日が福岡でイベントやるって。
ほぼ日の学校という取り組みで古典を教えている(学んでいる)というのは知ってたけど、大濠公園能楽堂シェイクスピア
まーなんだかよくわかんないけど、
行かない意味はないよね。

と、気づいたときにはチケット完売寸前。
慌ててブックスキューブリックにチケットを買いにいく。
この本屋懐かしいなぁ。街全体もけやき通りっていうおしゃれな雰囲気の中、小さい本屋なんだけど入った瞬間にラインナップに意志を感じるそれでいて押しつけがましくない心地いい本屋だなぁと昔は近くに住んでいたこともありよく行っていました。そんな本屋さんとほぼ日が絡んでいるのは何か必然めいたものを感じます。

で、サイドの指定席も少し余っていましたが、正面の桟敷席をゲット。
結果的にド正面だったし、桟敷で胡坐をかいてみるなんて雰囲気もありなんか得した気分でした。


そういえば、って行ってから気づいたけど、
シェイクスピアと言えば「ロミジュリ」。先日「Q」を見たっていうつながり。今回公演したカクシンハンという劇団はシェイクスピアをずっと手がけていて、つい先日まではロミジュリを演っていたとか。
そして今日の演目が「マクベス」。そろそろ2018年の「メタルマクベス」がゲキ×シネで見られるんじゃないかなぁと期待している。
そのような、やっぱり今でもよく引用されるシェイクスピアを学べるって、なかなかいいめぐり合わせじゃないか!

内容・感想

授業のような座学的な展開で、間にちょっと実演みたいな感じで演技が挟まる感じかと思ったら、がっつり60分間の芝居だった。15分前説、60分のマクベス、45分アフタートークという構成。
「エアガール」で今年の芝居納めだと思っていたが想定外に芝居を観れた。しかもマクベスっていう、かなりがっちりした演目。


能楽堂って初めて入ったっていうか、ここにこういう施設があること自体初めて知った。こういう機会って大事。

客層は、年齢層上気味。何かのグループなのか席が離れた知り合い同士みたいな方々も。なにグループ?
ほぼ日イベントは数回しか行ったことないが、なんかいつも独特の落ち着きみたいなものを感じる。博多座劇団☆新感線を見たときとはまたちょっと違うハイソ感というか…。

第1部:ダイジェストマクベス

マクベス」を60分程度に圧縮したバージョン。
(もれなくやると150分くらいかかるらしい)
前説で、リーディング形式と言っていたので、朗読会みたいに座って本読みするだけなのかと思ったら、ある程度の演技(立ち位置だったり、身振り手振り)も行われた(手に台本は持っているが)。
これはもちろん準備コストの兼ね合いもあるだろうが、「授業」であり、演る側も「実験的」なことをしているんだろうなぁと思った。
マクベス」はどちらかというと「詩的」なセリフが多いらしく、確かに分からない(理解がついていけない)部分はあったが、芝居の途中でも分かりやすいように解説を入れてくれ、あらすじは充分に分かった。


前説で、「ロミジュリは愛というテーマがある(うろ覚え…)。ではマクベスは?」と言っていた答えは何だろう。
つまりは「きれいはきたない、きたないはきれい」の意味するところか。
一言でいうとなに?むしろ一言で言い表せないっていうこと?


ちょっと前に見た「オイディプス」と似ている部分を感じた。
王に成り没落する話だったり、予言で行動しちゃうところとか。まーそれがないと物語が動かないから?
マクベス」の声を詰まらせて葛藤する演技が「オイディプス」の市川海老蔵の演技を想起させた。そういう「型」みたいなものがあるんだろうか。
オイディプス」はギリシャ神話なのかー。それはシェイクスピアとは比べ物にならないほど昔だなぁ…。


三味線との一体感がとても心地よかった。
どちらかというと三味線の方が芝居を見て合わせていた感じがする。
たぶん合わせてリハなんてそんなにしていないですよね?
アフタートークでも言っていたが、同じ劇団でずっとやってるかのような一体感。

第2部:アフタートーク

事前告知では糸井さんの名前はなかったが、途中から糸井さんも呼び出されて加わった。
以下話題を断片的に連ねる。


言葉の強さについて。今日の超シンプルなリーディングが主体の芝居っていう形式に対しての言葉の持つ強さっていう側面と、シェイクスピアの紡ぐ言葉の強さと、物語の中でマクベスに行動を起こさせる預言者の言葉の強さ、、いろいろな意味としての言葉の強さ。
その流れでの「ほぼ日は動く森である」という謎名言(迷言!?)が飛び出す。


「学びとはスカートめくり」純粋に知りたい!という気持ち。


1テーマで長期っていうのもいいけど、単発でっていうのもやりたい。90分で学ぶ○○みたいな。


来年もすでにいくつか企画してる(福岡でも)
地元の人たちと一緒に構築していけたらいいなぁという想い。


福岡にわざわざ来るのは、別にお客さんのためではない。
(もちろん喜ばれればうれしいが)
むしろ自分たちのためにやっている。だからまた来る。
(ほぼ日に載っていた対談の「楕円」の話に通じる)

来て意味のある場所だと思ってくれていること自体がうれしく思うし、そういう「場」であり続けたいと思う。

翌日のほぼ日コラムで「小さい変化を、数多く重ねること」について書いていた。


会場で配布されていたパンフレット(A6サイズ24Pの小冊子)の内容も充実で、振り返るのにちょうどいい、とても分かりやすい解説になっていた。


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当日のレポート記事
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