20191116 ドクター・ホフマンのサナトリウム 〜カフカ第4の長編〜

とにかくKERAさんの芝居を見る!と意気込んでチケット確保。
気づいたときには一般販売開始からだいぶ経っていたんだけど、
ぴあ貸し切りデーみたいなところで席が残っていた。

昼にNODA・MAP「Q」を見て、17:00に終わり、
サナトリウム」開演18:30。池袋から横浜へ移動!
東京芸術劇場の地下から地下鉄に直結しているのを事前に調べていたのでスムーズに移動成功!

あわただしかったですが、この2つの芝居を同日に見たということに奇跡を感じる。
もちろん全く違う話ながら、芝居要素として共通している部分もたくさんあり、どちらもクオリティがとてつもなく高い。役者ってすごすぎると改めて思う。人間がこんなことできるのが理解できん。

どっちもすごかった…いい日になりました。
次はナイロン100℃の本公演を観たい。

内容

今回も事前情報をほぼ入れずに観た。
カフカの未発表作品が見つかったというテイの話」というくらい。

カフカのその未発表小説の中の話から芝居が幕を開け、「え、まさかその「小説」の中の話をやる芝居なのか?カフカの作品てよくわからん印象があるよね…ついていけるかな…」と不安だったが、、いやーそんな不安いつの間にか忘れちゃうくらいにちゃんと徐々にのめりこみ、純粋に物語を楽しむことができた。ただ、すべてのつじつまを考えるとよく分からないところはある。

「Q」もそうだったけど、さらに上乗せで普通に一人が何役もこなしていた。
まあ確かに芝居ってそういうもんなのかもなとも思う。これまで見てきたものが、たまたまあまりそういう傾向になかったのか?

これも「Q」と同様に、
二役に意味があったりなかったりして一瞬混乱をきたすこともあるが、話を理解するには問題はない。

そしてまた「Q」と同様、話が多層構造になっている。
カフカの小説の中の話から始まり、
その小説を発見した現代の話、
カフカの時代にタイムスリップして迷い込んでしまった話、
ばあさんの幼少期のカフカとの交流の話から、
過去を改変しそうになってドタバタからの大倉孝二が撃たれた・・!
と思ったらそれは小説の中の話なのか?
どこからが小説でどこからがカフカの時代の過去の話か。
それぞれの配役が二役になっていることで、劇中の人も観劇しているこちらも、混乱しながら話が進む。最後には(小説内の)多部未華子の方が病だったみたいなことでオチになる・・ってことなんですかね。そこにも彼氏とその弟が二役になっているというのも絡んでて・・・。


多部未華子が主演のようでいて、
渡辺いっけい大倉孝二の主役感…。まあしかたないわな。
緒川たまき、声いいなー、、、ずっとファンです。文學ト云フ事、SF サムライ・フィクション、Stero Future、巨人のドシンボキャブラ天国…。
犬山イヌコ、この人も特徴的な声なのですぐに分かる。その昔、古田新太とラジオやってたのをなぜか聞いていた覚えがある…内容は全く覚えてないが、この変な名前と特徴的な声だけは印象に残っている。でもそこから実際にこの人たちの顔を知るのはだいぶ後になってからになる…。
…いや、今調べたら、箱番組の坂井真紀のいつだってひまわり!を聞いていたから聞いてたのか…ということに気づきました!ははは。森高千里の千里の道も一歩からとか、内田有紀の夜空にYOU KISS!ってのもあったね・・・懐かしすぎる。あーさらに言えば、その前にやってた裕木奈江の手のひらに乗ってを聞いていたのか・・・。裕木奈江の番組が終わった後に古田新太犬山イヌコの番組が始まったのか、、そうなのか、、、。

セット等

セットの展開ってやっぱおもしろいなー。
奥の階段状のセットは固定だが、手前のスペースにはその都度いろいろなセットが持ち込まれる。その場面転換自体も演出になっているのが芝居は面白い。
もちろん暗転中にやることもあるけど、暗転してない中でやるのも面白い。役者自身がセットの出し入れをする点も面白い。


今回3階席だったんですが、かなり縦に長い劇場で、本当にビルの3階か、もっと高い位置から見ろしている感じだった。
それを見越してか、床にプロジェクションするなどの演出もあった。照明やプロジェクションを多用し、生演奏でBGMを奏でる、現代的でおしゃれな演出だった。


先の「Q」の感想のところで、
事前に情報を入れないというスタンスを見直すという話を書いたが、
今回もう一つ、
肉眼で見るこだわりを捨てるっていうのも思った。
なんとなく、「肉眼」で見ないともったいないみたいな、根性論みたいな考えがあった。観光地に行って写真ばっかり撮って肉眼で見てないみたいな。
ただ、やっぱり舞台って遠い。
今年観た中で肉眼でちゃんと役者の顔が見えたのは駅前劇場くらいで…
あとはやっぱり遠い。
でもやっぱり役者の顔見たいよね!双眼鏡使ってもいいやん!って思った。

パンフ

パンフが特殊な構造になってて、ページとページの間が全部袋とじになっている。こんなところも2重構造…。「袋とじの中身はおおむねフェイクです」というコメントが書いてある。
会場にペーパーナイフが置いてあってみんなバリバリ切ってた。
私はまだ開けていない…。

余談

芝居を見てていつも思うのが、マイクあるの?ってこと。
「Q」は全編通してマイク感はなかった。
サナトリウム」は場面によってはマイクを通していたように感じた。
どーなんでしょうね。