20190620 劇団☆新感線 「ゲキ×シネ 髑髏城の七人 ~Season花」(2回目)

結局2回目の花を見た。
あんまり何も考えずに単純に楽しめた。とても面白いし所々でほろりとする。この調子だと鳥風も見ちゃうかも・・・(→結局予定が合わず見れなかった)。


沙霧と捨を恋仲にするかどうかは前提としての設定の違いが多分あると思うが、アオ(染五郎×鈴木杏)あたりからは恋仲感あると思うんだよね。それがやっぱりこの花で完全に結実した感がある。
そして今のところは花が一番いい。単に清野菜名が好きなだけかもしれんが。
一番の違いは、鈴木杏は途中の髑髏城で差し違えるあたりからの急接近感があるが、清野菜名は冒頭助けられてふと体が触れた時にすでにきゅんとしている。
しかしやっぱり改めて見て、清野菜名の沙霧いいわー・・・アクションかっこいいし。ちょうどいいボーイッシュっさと可愛さ。


捨×沙霧もそうだし、蘭×太夫×兵庫の関係性も。
ワカでは片鱗が見えたけど、まだちょっと違和感というかズレを感じた。それが花では完全に完成形と思われるよさがある。しびれる。
やっぱり花から、最後の太夫×兵庫の掛け合いの流れがすごーくいい。配役してから思いついたんじゃないかなーと思うわ。これまでの太夫・兵庫のヴィジュアルからはあれは出てこないと思う。やっぱり兵庫はこの役者さんすごくいい。

太夫の蘭に対する想いもよい。
蘭の前だと少し甘えた猫なで声になったり。
やばいと感じて花をあげて釘をさすくだりとか。
それがあっての蘭に引導を渡す悲しみと怖さとか。
それでいて最終的には兵庫と一緒になる流れになっても、軽い女とは全く思わせない構成と演技力。


家康周りはワカのほうがわかりやすい気がした。
登場の仕方に引っ掛かりがなさ過ぎて分かりにくい。
もっと他の回みたいにあからさまでいいんじゃないの?
初めて見たのが花だったから、その時は家康の想いはほんとに分からんかった。

最後の流れもワカのほうがしっくりくる。
天がわざわざ残党を残してでも嘘を流布させたという設定をたぶんやめたかったのではないか。それは確かに違和感があったので。やっぱり天は自分以外は全く信用せず皆殺しの方がいい。
その上で、同じ顔でもない捨をどうやって天にするかっていうところで、「噂」だけで通そうとしているのがやっぱりどうしてももやっと感はある。味方感が少し出た家康がなんで捨を切ろうとするのかっていう。
あ、それもあって家康と捨の関係性を薄めたのかな。前は初見でもっと知り合い感だしてたけど、それをしていない。もしかすると捨は家康知ってるけど、家康は捨を知らないんじゃないかって思うくらいに?いやそんなことはないか。知ってることを匂わせる演技はしてたか。

あとこれは演技運びの微妙な差なだけかもしれないけど、空の仮面に対して受け入れる流れも、ワカのほうが自然だった。そこの流れは台本上はそんなに違わないような気がするんだけどなぁ。

あと今回見て初めて気づいたけど、里が襲われた原因が自分(家康)にあるということになったおかげで、ますます家康が怒る理由が明確になっている。別の回でもたしか、蘭の過去の清算という理由ではなく家康討伐を理由に襲った回があったけど、その時は気づかなかったなぁ。


蘭が天に取り込まれる流れ。
蘭捨が沙霧を探しているときに天と相まみえるシーンで、すでに乱丸!と呼んで揺さぶりをかけている。このシーン、他の回に比べてつながりが悪い気がするんだけどなんでだろ。

タイミング違いで言うと、蘭が雑魚敵を切りながらかっこつけセリフをいうのが登場時になってるのなんで?みんながいる前で、登場直後でかっこつけてて、ただの変な人やん・・・と思っちゃった。


今回蘭は結構積極的に寝返った感がある。
他の回でも捨から、~お前がやったほうがうまくできるとか思ってねーだろうなぁ~なんて言われるシーンはあったけど、今回は端々でそれを感じる。
蘭がそういう気持ちなので、自ら里を襲いに行く(名目としては家康討伐だけど)のも自然だし、逃げようとする天に兵を置いていけっていうのも自然。他になかった、天が地図で説明したときにカマをかけるのもしっくりくる。
軍司気質なんだよね。
あとそういえば数珠の骨の設定がなくなってた。やっぱりその点も、信長公への思いもあるけど、どちらかというと自分が何とかしたい、天になりたいって思っちゃったってことなんじゃないかね。


そういえばいまさらだけど、乱丸ってなんなん。天地人に入ってないけどどういう立場なの?
ハナドクロメモ 天地人、そして
↑ 信長の寵愛の対象だったので「戦い」的なポジションに入れなかったという考察。でも本当は一緒に戦いたかった。その思いがねじれて今回みたいなことになると。なるほどねー。


天役の「成河(ソンハ)」さん。てっきり劇団員かと思ったら違ったし意外と若いしすっきり顔のイケメン。全然あの芝居と結びつかないわ。。すごいいい芝居だった。
役が分かれた森山未來からすでにこういうキャラの方向性ではあったが、さらに顔のやけどと足のケガのウソと合わせてますますキャラが立っている。


古田新太は初見(1回目にみた花)の衝撃が大きすぎて、もっとはっちゃけてたかと思ったけど、改めて見ると、ちゃんと節度を保っているというか、ちゃんと構成されていた面白さだったわ。


天と捨が別キャストになって同じ顔トリックがつかえないことによる設定の違いで、

  • 沙霧が城内で捨に会った時に逆上して襲うための理由が、同じ顔という理由から、天とグルだったってことに代わる。
  • 皆で捨を助けに行くときの再開のシーンでは、同じ顔の今度は天が捨のふりをしていたが、薬を飲ませて仮面をかぶせて襲わせるという流れに代わる。

そういえばここで、ワカの時はザンガイケンで結構ぼこぼこにしてたけど、今回は1撃で仮面を割る。
まあ前回はそのせいでなのか、それをするためなのか、ザンガイケンを研ぎ直すなんていう流れもあったけど、今回はそれはカット。確かに冗長感はあった。
あの沙霧なら1撃で決めても違和感ない。あ、あと今回のザンガイケンはいつものより重そうだった。この沙霧のシーンもだけど、ラストバトルの捨でさえも重そうに振るってる。

んーそうかそのおかげで沙霧と捨の関係が深まることにもなったのか。
偽物を見破って、女には分かるっていわれるのと、
本物を見破って、言われるのとでは全然ちがう。
もしかする設定変更によってこのシーンを書いたら、恋仲にしたろって思ったのかもしれんね。

あれ、二役版の時って捨ってどうやって合流するんだっけ・・・。


髑髏城、というか新感線を見たのがこの「花」だったので、初見のインパクトのせいでよく感じていたのではないか、と思い、再度見てみたが、やっぱりよかった。
というかちょうど過去の回から順番に見たおかげもあって、より話の理解や、変化していった過程が見えて、前回見たときよりもとても良かった。

(冒頭にも書いたけど)結局、鳥風の2日目は見逃しちゃったので、次こそ月!待ってます。
(そしてこの後 Bluray-boxの完全受注生産の発表があってすごい悩む…。しかしもう円盤メディアは買いたくないんじゃー。)